ぐっと蒼の肩を抱くフレンの手に力がこもった。


「!!」



次の瞬間、フレンにだけ大量の雨が急に降り注いだ。

びっしょ濡れのフレンを見て、蒼は大きく頷いた。


「なるほど。これが指輪の力ね」

「さすが俺の女。すぐに使いこなすなんて」

「……」


ずぶ濡れになりながらも、格好つけるフレン。


「こんな無茶苦茶なこと……泣きたいくらいなのに…」


情けないフレンの姿を見ていると、流したい涙も枯れてしまう蒼であった。