「誓いのキスだよ」 「しししし、しなくていいからっ!!!」 ゆでダコのような顔を両手で隠しながら、蒼は空高く舞い上がる。 「恥ずかしいのか? しょうがない奴だな」 「ちっ…違うってええ!!!!」 追いかけるフレンに、必死に逃げる蒼。 天空に吹く風が、重たく澱んでいることなど この頃の蒼には、まだ気づくはずもなかった――………