思わず言ったわたしの言葉を、柴田は怪訝そうに首を振った。

「そうだよ?
 前の時間のクラスが、年表を届けに来てくれたんだよね?」

「……わたし、帰る」

 今。

 わたし、紫音……村崎先生に会いたくない……

「帰るって六時間目、もう始まるよ?」

「でも……!
 わたし、やっぱり、帰……」

 わたしが言い終わらないうちに。

 六時間目の始まる合図のチャイムが鳴り……それと同時に。

 日本史の……村崎先生が入ってきた。