「…え。学園祭?」



「そう。2日間あって、一日目は合唱コンクールとか内部で盛り上がって…、二日目は一般公開もアリ。けっこー盛り上がるらしいよ?」





結がプリンをパクつきながら、いつものゆっくりとした口調で説明する。



「……知らなかった。陸上のことばっかりで、ロクにこの高校のこと調べてなかったからなあ…。」



「そうだろうと思った!うちのクラス、学園祭実行委員とかもう決まったよ。」



何故か得意げな結。



「へぇ~、誰するの?」



「……学級委員の二人。まあ、半ば押し付け状態でね。」



「………。へ、へぇー…。」



学級委員?!
これは……、できれば避けたい。



「…露骨な顔しないでよ、まだ柚に決まったわけじゃないでしょ?」



「………はは…、まあね。」



「なんかね、カップルイベントとかもあるらしーよ。すごい楽しみ♪」




さらりと言った結だけど……





夏休み明けに中道が別れたって公言して…、更に噂と憶測だけが一人歩きしていて…


結の口からは、その話は一切聞いたことがない。



ならば結のこのウキウキ感は…?




結と中道って……


本当にホント、別れたのかな。



「あ~楽しみだなっ。」




そんなに楽しみだなんて…、



一体全体、どうなってるのよ……。










学園祭は、二日間に渡って執り行われる。




一日目…



合唱コンクール。



その名の通り、1~3年・全24クラスにより自由曲一曲で争われる。



金賞・銀賞・銅賞には、副品あり。


その他、指揮者賞・伴奏者賞など個人賞も設けられる。




二日目……



各クラス、各部活などで催し物を行う。


出店、イベント……。なんでもOK。


一般公開あり。

生徒達が中心となって、すべてが進められていく。


……らしい。





HRで、学園祭の説明を聞きながら……


私は大欠伸をかいていた。



興味ないわけではない。


昨夜遅くまでDVDを鑑賞していたツケが回ってきたのだ。




「まずは実行委員を決めてくれ。…うえはら…、寝てる場合じゃないぞ。ホレ、学級委員!前出て仕切りなさい。」



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