わたしの目の前にはりんごやバナナの果物。


それを取ろうとしている手のモデルをなぜかさせられているのは、二週間前この高校に入学したばかりのわたくし、河合ひな。


というか。


美術部って、この口の悪い先輩だけなんだろうか。


他に誰も来ないんですけど。


スケッチする鉛筆の音だけが、美術室に響く。


う。


静か過ぎる。


そして、暇すぎる。