わたしは、なにがなんだかわからなくなってしまって、黙り込んでしまった。


「オレも、痛かった」


「え?」


「佐々木は、やっぱり根岸のことが好きなんだって、さっき改めて思い知らされて。

 痛かった」


浅野先輩は、大きく息を吐き。


自嘲気味にふっと笑い。


「人を好きになるって、痛いよな」


そう言って、空を見上げた。