曽根 千年(そね ちとせ)はオレの婚約者であり幼馴染みでもある


有より一つ下の24歳だ


彼女の家はもう何百年も続く老舗の和菓子店をやっていて


茶道の家元であるうちとは家族ぐるみの古くからの付き合いだった


オレ達は兄貴も含め三人でよく遊んだ


お互いの親が忙しかったのもあって、大抵はうちの家に千年が来て


沢さんがオレ達の面倒をみてくれていた


だから、本当にガキの頃からいつだって
一緒にいたんだ


だけど、いつ頃からだったか千年がオレに抱く気持ちにオレは気づいていた


けれど、どうしても千年の事を妹の様にしか思えなかったオレは、その気持ちにわざと気づかないフリをし続けていたんだ


要は逃げていたんだよな