異常に鼓動を早める心臓。一体、どこまで知っているの?

返事を待つ私に白夜さんはフンッと鼻を鳴らした。


「その答えを知ってるから探さないのだろう?」

「なっ、……て、適当なこと言わないで! 何でそんなことっ!」


声をあげる私に永久さんが「まぁまぁ」と割ってはいってきた。


「白夜、話を進めすぎる。これでは勘違いしてしまうよ?」


永久さんの声に白夜さんはチッと舌打ちしてまたミルクをぺろりと舐める。


「ねぇ、万里さん」

「……はい」


……ちょ、ちょっとまって。どうして私の名前を知ってるの? まだ自分の名前言ってない。

その事実に背筋をぞっとさせて、私は正面の彼を見た。

すると、永久さんは少し肩をすくめて「あのね」と話し始めた。