唖然と返事をする私の前では永久という名刺をくれた彼がため息を付いてた。


「あのね、白夜。人に化けるほうが驚くと思わない?」

「わしが喋るたびに驚かれるのも面倒だ」

「なら黙ってミルク飲んでればよかったのに」

「今回、迷惑をこうむったのはわしじゃ。意見くらい言わせてもらってもよかろう?」


違和感無く会話を続けてる二人。

ううん、一人と一匹?

もう何がなんだか……。


「もういいよ。ごめんね、驚かせて」

「……いえ」

「猫または喰った人に化けることが出来るんだよ」

「はぁ……、はい?」


今、さらりと凄いこと言わなかった?

驚く私に永久さんは「あ」と小さく声を上げてにこりと笑う。


「でも、昔の話だから。もう時効だよ」


なんて口にして優雅に紅茶を口に運んだ。