いつものらしくない蒼の様子に、蒼ママが顔を覗き込む。


「……寝たら回復すると思う。心配しないでよ」


これ以上一緒にいたら異変に気づかれそうで、蒼は足早に台所から退散した。

階段を上る途中で、台所からママの声が響いた。


「そういえばさっき美津子ちゃんから電話があったわよ。今日は一緒じゃなかったの?」


(あ……あの二人には誤解を解かないと…)

頭では思っているのに、もう身体はふかふかのベッドを恋しがっていた。


部屋に入るなり、ベッドに飛び込む。

全身が疲労で痺れていた。