その言葉に、私は一層瞳の色を曇らせ、頷いた。

エルガは、ひとつため息を吐く。


「今日、店の裏でなにがあったか知らんが……どうせ、青年がなんで『明日も来る』って言ってたのか、わけを知りたいんだろう」


…さすがは、エルガだ。

よくわかっている。

頷いて、今日のことを思い出した。


あの青年は、私がテントの奥に逃げこんだ後、テントの外にいたエルガに『明日も来る』と言ったのだ。

その話し声が聞こえてからは、それがどうしても気になって仕方がなかった。

訴えるような瞳を向けると、彼はひとつ教えてやる、と言った。


「……あの青年は、美しい女を探しているそうだ」


…美しい、女。

私の瞳が驚きの色に染まったのを見て、エルガは視線を下へ移した。