「……龍?」


「………なよ。」


「えっ……だからよく聞こえない…。」


たくさんの人達の話し声が邪魔をする。


龍が何を言ってるのか、全く聞こえない。














「……行くなよ。」














さっきまでの喧騒が嘘だったかのように、今度はハッキリと聞こえた。


「え……?」


「あいつらのとこなんか行くな……。」


「りゅ……う…?」


あいつらって……虎太達のこと?


でもどうして……?


「瑞華……。」


初めて下の名前で呼んでくれた……!!


切なそうな顔であたしの名前を呼ぶ龍に、なぜか胸が熱くなるのを感じた。