「ねぇ、あず?私と成宮が付き合ったきっかけって、何だったっけぇ?」


「はぁ?」



あずはそう声を出すと、弁当場を包んでいたハンカチを解いて手が止まった。


あずに聞いたらわかると思ったのに……。


“何、言ってんの?アンタ、バカ?”って、思ってそうな目で見ないでよ。


私は上半身を机の方に倒し、アゴを机に乗せて上目遣いであずを見た。



「何、言ってんの?彼氏と付き合ったきっかけがわからないなんて……」



やっぱり……。


そう思ってたんだ。


てか、そう言ったあと、大きな溜め息ついたのはムカつく。



「てか、何で今さら?そんなこと知りたいわけ?」


「うーん……。わかんないけど、ふと、そんなことが頭をよぎってさ。でも思い出せなくて、そしたら気になっちゃって」


「ふーん……。アレでしょ?優月の元カレが浮気して泣いてたら成宮が慰めてくれた。みたいな?てか、優月が泣くなんてね。相手、社会人だったっけ?合コンで知り合ったんだよね?」



あずはそう言って再び大爆笑。


私だってね、泣くことくらいあるんだからね!


あっ!思い出した!


私と成宮が付き合ったきっかけ……。