ケータイ小説 野いちご

いつも何度でも


次の日の朝、朱里は起き上がれなかった。

誠之はネクタイを締めながら朱里を愛しそうに見つめて言った。

「明後日から一週間お盆休みだから、九州に行って朱里のご両親に会おう。」

「えっ?」

誠之はいつも朱里を驚かせる。

「とにかく行動あるのみだ。駄目ならまた次の策を考えればいい。」

朱里は彼の仕事振りが目に浮かんだ。

家が近づくにつれ、朱里は緊張のあまり頭痛がしてきた。

誠之の両親に会った時より、確実に緊張している。

ついに、タクシーが家の前に停まった。

「朱里…大丈夫?」

朱里の様子を見て、誠之が心配そうに声をかけた。

朱里は誠之の手を握って言った。

「誠之さん、お願いだから、話が終わったら私を一緒に連れて帰ってね。この家に独りで置いていかないで。」

「わかった。必ず連れて帰る。さ、行こう。」

二人は家に入った。



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