「……はあ…はあ……もう」


息もうまくできない。



蒼は後ろを振り返る。


男たちの姿はもう見えない。



「……もう…大丈…夫…」


蒼はスピードを落としながら徐々に降下した。

下は暗い森が広がる、ひとけのない山麓だった。



ぽっかりと穴のあいたような、木々の隙間の小さな草原。

蒼は倒れこむように着陸した。