レイナさんへの手紙と一緒に封筒の中に、親友がいつもしていたネックレスが入っていた。


親友が施設に預けられた時に持っていたものらしく、親友の名前のイニシャルのMのチャームに誕生石のダイヤモンドが埋め込まれたネックレス。


それは親友がレイナさんに残してくれたもの。


レイナさんに持っていて欲しいという親友の願い。


レイナさんは今もそのネックレスを肌身離さず着けているのを見せてくれた。


そして、レイナさんは卒業を待たず施設を出た。


学校の友達に、お金を貸して欲しいと頭を下げ、何も理由を聞かずに、お年玉からお金を貸してくれた友達。


そのお金を持って、電車に乗り、この街にやってきた。


それから、ずっとこの街にいて、施設のあった街には、友達に借りたお金を返しに行っただけで、それっきり行ってないらしく、今、施設がどうなったかも知らないらしい……。



「あの子の墓参りにも行けてないの……。本当は行きたいんだけどね……」



レイナさんは、悲しそうな笑顔を浮かべて、そう言っていた。