ケータイ小説 野いちご

世界の終わりに、君は笑う





「私たちエルフだけが使える魔法なの」

ただその魔法は、本人の体に負担が掛かりすぎる。
けれど、今はそんなことなど言っている場合ではないと感じ、それを言わなかった。

「ディオンの体に触れるか、それかディオンの魔力が込められた物に触れるかしないと、視ることは出来ないんだけどね……」

あ、とフェイは声を漏らす。
そして、首から掛けている月の石(ムーンストーン)のペンダントを取り出した。

「魔力ではないが、精霊使いの力なら、此処に込められている」

「それなら大丈夫だわ。フェイ、しばらくの間、目を閉じていて」

言われた通りに、目を瞑(つぶ)る。
アンネッテもまたペンダントに触れ、ゆっくりと目を閉じた。

「この力の中に秘められし、過去の記憶――今此処で、我、そして仲間である彼に、見せたまえ――」

白い光を放つ魔方陣が、二人の足元に現れる。
刹那――眩(まばゆ)い光が、二人を包み込んだ――。






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