「大丈夫。僕は絶対、君を裏切らないよ」
なだめるように、優しく、髪を撫でてあげる。
「全ての人間を消して、僕ら二人だけの世界に――」
君だけがいれば、それでいい。
他の者たちなんていらない。
男の子の表情は、あまりにも冷たいものだった。
「僕らのこの使命は、誰にも邪魔させない」
じめじめとした風が二人の頬を撫でる。
プラチナブロンドの前髪が、ふわりと靡(なび)く。
二人の額には、白い肌にはそぐわない、飛竜(ワイバーン)を表す漆黒の紋章があった――。
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