ゆかりが帰る日の朝も彼は姿を表さなかった。ただ、一本の電話が鳴った。 彼からだった。 気をつけて帰りとかごめんねとか…悲しかった。言葉なんていらない。会いたかった…ただ、それだけ。抱きしめて欲しかった。
雪の降る景色は一層ゆかりを切なくさせた。帰ってからも彼からの電話はなかった。ゆかりは寂しさの余り、彼の勤め先へと電話を入れる。自分を見失っていく