午前の授業に全然集中できなかった……。



朝起きたら昨日のことは全部ウソでした、なんてことになってないかな、と期待しながら眠りについたものの……。



やっぱり状況は変わっていなかった。



うぅ……なんで助けてくれたのが滝川くんだったんだろう。



あたしは教科書を机の中にしまいながら、深いため息をついた。



「まぁいいや。今日は天気いいし、屋上行く?」



教科書をしまい終えてお弁当を用意すると、明菜がそう提案した。



「そうだね。行こっか」



あたしは気を取り直してうなずき、お弁当を持ってふたりで屋上に向かった。




「天気いいねー!あ、あそこ空いてる!ラッキー!」



今日は雲ひとつない青空のせいか、屋上には友達同士やカップルやらでにぎわっていた。