だからキスのことは言わないで!



と、ついつい口が滑ってしまった。



「……言ったな?」



し、しまった……!!



気づいたときにはすでに遅し。



ニヤリと笑った滝川くん。



「い、今のは言葉のあや、というか無意識に出ちゃったというか……」



「訂正は認めねぇ。いいか?俺の彼女だってことをだれかに否定してみろ。校内放送でキスしたことバラしてやる」



「そ、こんな……っ」



なんていう強引っぷり……。



「……ま、安心しろ。彼女になったこと、後悔させねぇから」




このときの滝川くんの悪魔のような笑みは一生忘れないだろう。



……こうして、あたしは強制的に“副会長兼彼女”にされたのであった。