キケンを察知して急いで自分の口を手で隠そうとしたけど、あたしの行動は読み取られていたらしく、両手は滝川くんの大きな手につかまれてしまった。



「ちょ、ちょっと……!」



「いいから、黙ってキスされろ」



気付けば、ふたりの唇の距離は数センチ。




あたしは最後の抵抗でフイッと顔を背けた。



……だけど、それさえも滝川くんによって無意味にされてしまった。



「抵抗すんな」



「ちょ、ちょ……っ」



後頭部を左手でがっちり押さえられて、顔を動かすこともできなくなった。



……もうダメだ。



そうあきらめて目をギュッとつぶった瞬間。



――ガラッ!!



生徒会室のドアが思いきり開けられた。