「さっ、この服に着替えて。」
美奈子が可愛い花柄のミニワンピを手渡した。
美奈子と朱里は10センチ近く身長差がある。
「美奈子ちゃん、サイズ会わないと思うんだけど。」
「大丈夫。それ妹のだから。」
美奈子の妹は中3…。
複雑な思いで着替えると、ピッタリだった。
「次はメークね。」
美奈子が嬉しそうにメークポーチを開けた。
「ちょっと待って。メークは勘弁して。」
「どうして?デートだよ?」
いい子のふりして心を偽っているのに、外見まで偽りたくない。
でも…そんなこと言えなくて。
「なんか…皮膚呼吸できなくなる気がして
……。」
訳の分からないことを言った。
「はあ?爬虫類ですか。」
呆れる二人に頭を下げて、なんとかメークは口紅だけにしてもらった。
「最後はネイルね。」
裕子が朱里の手足の爪に淡い桜色のマニキュアをぬってくれた。
ケータイ小説 野いちご
いつも何度でも
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