放課後、ナツキは一人、部室にいた。

電源を入れないパソコンの前に座っている。

夕日が沈みかけた頃、彼は部室に訪れた。

「たっタカシナ先生!」

ナツキはイスを蹴って立ち上がり、タカシナに駆け寄った。

「ナツキ…。待っていたのか?」

「…話、したくて…」

「聞いたのか…。そうか」

タカシナは後ろ手に扉を閉め、近くのイスを引いてナツキを座らせた。

「先生があの事件に関わっていたって…本当ですか?」

「…ああ、本当だ」

「どうして…!」

ナツキの大きな瞳が涙で滲む。

タカシナもナツキの隣にイスを引き寄せ、座った。

そして真剣な表情で、真っ直ぐにナツキを見つめ、話を始めた。

「殺された男は、わたしの知り合いだったんだ」

「知り合い…」

「ネットで知り合った。お互いパソコンに興味を持ってて、何度かオフ会で会っているうちに意気投合したんだ」