ガチャッ 倉庫の玄関の扉がゆっくりと開かれる。 ……美海…か? 俺は直ぐに扉へと駆け寄った。 扉から出てきたのは、美海だった。 「美…海?」 此処を出た時とは、真逆の状態で可愛い白のワンピースは雨でびしょ濡れで、所々泥か何かで黒く汚れている。 美海は、海斗に本当に傘を渡せたのだろうか? でも、美海の手に透明のあの傘はもう、無い。 とりあえず、俺はバスタオルを洗面所から急いで持ってきて美海に被せた。