「おいっ、亜季!美海、追いかけなくていいのかよ!?」





光は、さっきから椅子に座ったまま全然動かず、表情も一切変えない亜季の肩を激しく揺さぶりながら尋ねる。




「はあー…」




深いため息をつく亜季。




「そんな、溜め息ついてないで早く行けよ!!」




チラッと光に目をやる。




「海斗にチャンスあげちゃって、光…あんま邪魔すると、殺しちゃうよ?」




ニッコリと綺麗に笑っている亜季の顔は、何故かとても歪んで見えた。



光の背筋は凍りつき、一言も発することは出来なかった。