津波の傷痕が…。

巡り合った透さんと僕を引き剥がし始めたんだ…。


満ち潮で、岸壁の上部にまで海面が迫ってきている…。



「この辺りも陥没が酷いから…すぐに水浸しだ…。」

と、透さんは立ち上がると、

「スー、またな…。会えて良かったよ。また元気に泳いでいる姿見せてくれよ!」

と、片手を挙げ、町の方へと戻っていった。


だから僕は、尾鰭を一回、海面にぶつけてから、沖へと帰って行った。



それを見て、笑ったという話を透さんと再会した日に聞かされる事になるんだけどね。