「助けて…」


唇が震えて、大きな声をだせない。


目の前に玄関があって、震える手で急いで鍵を開ける。


ガチャっ

扉を開けた瞬間服を引っ張っられて肩を掴まれて後ろを振り向かされた。


なんとか玄関の扉だけはまだ開けられたままだった。


誰かが通ってくれたらこの状況を見て助けてくれる…。


誰か助けてくれ!!


目の前にいる二人は完全に可笑しかった。


玄関の扉が開いてるのにも気づかずただ俺を殺すことしか頭の中に入ってなかったんだろう。


そんな二人を見て恐怖で怯えるしかなかった。


「ふっ」


和樹さんは笑った。


そしてナイフを振り上げて僕の左胸に刺してきた。


血が…


ドクドクと刺された場所があつい…。


自分が倒れていくのが分かる。


「蒼ー!!!!」


遠くのほうで松山さんの声が聞こえた気がした。