「手鞠ちゃん…………」 君は……もう、ぼくの前には現れてくれないのか? そう意識すれば、腹に溜まっていた苦しみが、一気に喉へと押し上げてきた。 「う……あ……………」 手鞠ちゃん。 「あ、ああ…………」 手鞠ちゃん。 「ああああああああああああああああああああああ!!」 ぼくは、彼女を最後に抱きしめた両腕を胸の前に包むようにして…………。 ………………泣いた。