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涙の跡を隠しながら外に出ると、社員の皆が睦月を待っていた。



「おーおかえりーどうだった?」



ハイテンションでいつもより高い声の莉奈が、体当たりとでも言えそうなほど力強く密接した。



「ま、まぁ・・・凄かったかな」



「だよねーホント噂通りって感じ」



皆「うんうん」と頷きながら次の目的地へと足を進めた。




睦月はふと立ち止まり、振り返った。



風が吹き、髪を靡かせる。



すると、低く聞きなれた声が耳元で鳴った。



「睦月さん?」




「う、っわ!輝くん!!いきなり近い!びっくりしたじゃん!!」



「あ、すみません」



と言うも、身を引くことをしない。




それよりももっと近づいて、口を開いた。