「占い。ここ良く当たるらしいよ」



「わっ」



後ろからガバッと睦月に覆いかぶさってきた莉奈は、少し古びた板に『占い屋』と書いてある看板を指差した。



「今皆占ってもらってきたとこなんですよ」



七海が付け加えとしてそう言った。



「えー占いー?」



「本当に当たるのか」と半信半疑で右肩を上げる睦月を、二人は無理やりその占い屋の中に押し込んだ。



「わっ」



バランスを崩しながら「全く・・」と小さく漏らすと、「いらっしゃい」という女の人の声が耳に入ってきた。



もう50近いおばさんだが、どこかしら他の人とは違う空気を放っているのが分かる。



「さあ、そこに座っ・・・・」



占い師は睦月を見るなり驚いた顔を見せ、中途半端に言葉を止めた。



その目は確かに睦月を見ているのだが、一向に目が合わない。



頭にハテナマークを浮かべ、一歩近づいた。