「戸村、絶対に明日来いよ。学年集会に来なかったら家まで迎えに行くから」




戸村は静かに頷いた。






俺は、窓を閉めた。




もう外はずいぶん暗くなっていた。






「帰るか」





俺がそう言うと、ふたりは同時に立ち上がった。





後ろから見ると、ふたりの区別がつかない程だった。






同じ髪の色して・・・・・・


同じような格好してさ。






大丈夫。



きっとうまく行く。



失敗は誰にでもある。



大事なのはその後だ。





俺は、並んで歩く戸村と宮崎を見つめながら廊下を歩いた。







「じゃあ、気をつけて帰れよ」




俺が手を振ると、ふたりは頭を下げた。







一緒に帰ったのかどうかはわからない。




何か、話をしたのかな。







俺は少し心が軽くなっていた。



職員室で、先生を集めて話をした。




どの先生も真剣に話を聞いてくれた。







明日の学年集会で、宮崎は何を話すのかな。






こんなことは俺の教師人生でも初めてだった。





~先生目線END~