「あれ?田辺さんってどこかでお会いしたことあります?」





とっても自然だった。




でも、自然過ぎて、なんだか嫉妬しちゃうよ。




先生の肩越しに見えた田辺さんの嬉しそうな顔・・・・・・







「え?私ですかぁ?」




頬を赤らめる田辺さん。



やっぱり教え子だったんだ。



そう思った。





「私と、会ったことあります?」





首をかしげて、ちょっとブリっ子な話し方で・・・・・・




すごくすごくすごく嫌な気分になった。







「会ったことないなら良いんです。失礼します」






先生は私の気持ちに気付いたのか、少し冷たい口調でそう言った。






「じゃあ、新垣さんの奥さん、またね!今度家に遊びに来てね」





親しげにそう言った田辺さんの笑顔が、私には悪女のように見えた。