でも、残念。 「あたしは大体“一般”には含まれないんじゃないかしら」 「…確かに。瑠李さんを一般でくくるなんて笑えないジョークだな」 「あら、変人だって言いたいの?」 カウンター席、端から二番目。あたしの特等席。その隣にスルリと入り込む彼は猫みたいなしなやかさだ。 「…極上だ、って意味だよ」 あたしには、その香りも仕草も表情も視線も全く通用しない。