チリン、と鳴るドアのベルと共に今夜も彼はやってきた。
「瑠李さん」
甘い、だけどオンナ好みの香水とショコラの髪の隙間から覗く色気のある瞳。
少し骨ばった手でネクタイを緩めれば、垣間見える鎖骨。
きっと、どんな夢見るファンタジーガールも日常に疲れてるセクシーなオネエサマもころっとしちゃうのだろうな、と思う。
「瑠李さん?なに、見惚れてるの?」
「一般的な考察を心の中で述べていただけよ」
「…それは、瑠李さんも含まれる“一般”かな」
声を低くするタイミングだって完璧。
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