「だから、ちょっとはだけてますって」



七海は無防備に見えた睦月の足を隠すように、布団をかけた。



「うーんっありがとう」



布団の温もりを感じながら、幸せそうに目を閉じた。



「そんなんでいつ沖田くんに襲われても知りませんよー」



意地悪そうに口角を上げる七海に、睦月は驚いて布団から起き上がる。



「ちょっと!!何でそこで輝くんが出てくるのよ!!」




「睦月さん、今日も言い寄られてましたね」




「別にあれは言い寄ってんじゃないの。年上をからかいたい年頃なんだって」



睦月はぷいっとそっぽを向き、今日のことを思い返した。



七海と同期に入ってきた2つ下の後輩、沖田輝は何かと睦月の過去を思い出させる人物だった。



正直、睦月にとってはちょっと厄介な存在。



そんなことも知らず、七海は睦月の隣に敷かれてある布団にもぐりこみ、顔だけを睦月の方に突き出してきた。




「本当のとこ、睦月さんって沖田くんのことどう思ってるんですかっ!?」