12月――。


街はクリスマス一色で、クリスマスカラーが街を彩り、夜にはイルミネーションが輝く。


恋人たちは手を繋ぎ、寄り添い、目を輝かせながらイルミネーションを見上げている。


それを横目に塾へ足を早ませる。


――受験生にはクリスマスも正月もない。


学校や塾で何度も繰り返し言われた言葉。


わかってるよ、そんなこと。


家と学校の往復。


友達と寄り道することなく家に帰り、それから塾へ行く。


帰ってからも夜中まで勉強。


そんな退屈な毎日を送っていた。


何も変わらない毎日。


平凡な毎日。


でも、こんな退屈で平凡な毎日が変わる出来事が起こるなんて――……。