家を追い出された俺達は街の外れにある森の中の小さな小屋に向かった。


あそこなら誰も来ないはず…。
これ以上ハインを雨に濡らす訳にはいかない。
俺が弟を守らなきゃ…。


ガタガタと震えているハインを抱えて小屋へ急いだ。






ベッドの埃を軽く払い、ハインを寝かせた。


それから暖を取る為に薪を暖炉に入れたが、火元がなかった。
(あんまり、これは使いたくなかった…)
仕方がなく俺は目を閉じ、手をかざす。


すると瞬く間に薪は燃え始めた。


同時にジャンの体がふらつく。


「…………っ………」

ジャンのこの能力はハインの治癒能力と同じくらい体力の消耗が激しい。