「学が悪い」 「もー潤佳ちゃんまで」 小泉さんが苦笑いをしながらキッチンではない部屋に入って、ジャケットと財布を持って出てきた。 「じゃ、送りますよ」 小泉さんはジャケットを羽織り、財布をパンツのポケットに入れながら言った。 「いや、あの……」 小泉さんはドアを開けて笑顔で手招きをする。 慌ててカバンを持って立ち上がり、所員の人にもう一度お辞儀をして、小泉さんの後を追う。