次は依子の手紙。





「ゆかりへ。私は、ゆかりがいなければ、今どうしていたかわかりません。ゆかりは、友達想いで、自分のことよりも友達のことを考えてくれたね」






ゆかりは中学時代の彼氏の龍を忘れられずにいた。


偶然、龍を知った依子が龍を紹介して欲しいと頼んだ。


“先生をあきらめるなら”と、ゆかりは龍を紹介した。



好きな人を友達に紹介するなんて、私にはできない。


ゆかりは、私と先生の為に・・・・・・



本当にありがとう。




「私が幸せになれたのは、ゆかりのおかげだよ。今度はゆかりが最高の幸せを掴む番です。たっくん、よろしくお願いします」





たっくんはしっかりと頷いて、ゆかりの手を握っている自分の手を上にあげた。





「卓弥さん、ゆかりさん、結婚おめでとうございます。幸せになってください」







スライドの最後の写真は、ゆかりの子供時代の写真にした。



お父さんとお母さんと一緒に写ったゆかり。






ゆかりと出会えて良かった。




ゆかりと友達になれて・・・・・・本当に良かった。







席に戻ると、優しい旦那様の笑顔が待っていた。





小さく右手の親指を立てた先生。



“よくできました”って言われた気分だった。






先生、ありがとう。




私の精いっぱいのゆかりへの気持ちを伝えられたと思う。





手がまだ震えていた。





ゆかりを見ると、私の方を見ていた。




小さく頷いたゆかりに、私も頷いた。