「そろそろ能越自動車道も終わり、目指す氷見インターまでもう少しってとこね。いまどきはETCがあるから便利よね。誰にも顔を合わさずに済むんだから」
女は相変わらず余裕の顔で微笑んだ。

「先生、かなり苦しそうだけど大丈夫?」
女は鳥岡の方を見て尋ねた。

 弥生の席からその顔色は見えないが、痛みで息がうまできないのか肩で息をしているようだ。

「・・・どうして」
かすれるような声。

「ん?」

「どうして、こんなことを・・・?なんで生徒をこんな目に」

 撃たれる

 恐怖よりも「チャンス」の文字が頭に浮かんだ。鳥岡には申し訳ないけど、弥生には自分が生き残るほうが大事だった。