着替えを終え、紫穂ちゃんにばっちり日焼け止めを塗られて、更衣室をでた。

更衣室を出て、指定した海の家に向かう。

海の家の前に2人の男の子。遠くからでもわかる。

カッコいいってこと…。

結城くんはもちろん、海斗くんもカッコいい。だから、ほかの人がほおっておくわけがない。その証拠に、2人の側には女の人が、数人。

なんか、モヤモヤする。

心の中に、黒いものが広がる感じがする。

「雫?どしたの?」
「う、ううん。なんでもない!」

そう言ったものの、たぶんあたしの顔は暗いと思う。

「ふぅ~ん」

紫穂ちゃんがニヤニヤしながら、あたしを見る。

「な、なに?」
「うーうん、なんでもない」
「?」

なんだろ?と思いながら、紫穂ちゃんを見てると

「雫ちゃーん!紫穂ちゃーん!」

声のする方をみると、海斗くんがぶんぶんと手を振っていた。結城くんはじっとこっちを見ている。

海斗くんは「ごめんねー」と女の人達に言って、こっちにきた。

「…あ、ごめんね。遅くなって!!」
「ぜーんぜん、大丈夫!な?」
「あぁ」

海斗くんは、ニカッと笑いながら結城くんの肩に手を置く。