パトカーが並ぶ道を進み、校庭で車は停車。

基地となるテント下へと行き、作戦会議を開始する。



「犯人は何人だ」



「2人だそうです。1人が人質にしてる生徒の彼氏で、別れ話の縺れから立て籠りを」



「自殺も視野に入れて、解決へ導きましょう」



私は七星を連れて、開いたままの昇降口へと向かった。



「課長に怒られるって!」



「責任は私が取るし。嫌なら戻りなさい」



「愛依ちゃん!!」



「馬鹿――ッ!!」



七星に怒鳴り、物陰に2人で隠れた。

私を止めようとした行為に怒りはないが、声を張り上げた事にはイライラしてしまう。



「何してる」



「……バレたじゃない」



私はため息を吐きながら、男の前に立った。

覆面なんかして、意気地のない男だ。



「こうなれば、お前らも人質だ」



「そんなの許すか!」



ーーカチャ…ッ



「七星!!」



まさかのまさかで、七星が銃を構えて引き金を引いてしまった。

間に立つ私は、後悔と怒り。

不安に苛まれる。

七星を振り切って、1人で来れば良かった。



「はぁー……面倒なヤツらやな」



もう、限界。

簡単に人を怪我させたり、殺ろうとするの止めてくれないかな。