あの人はほそい声でわたしに聞きました。

 これからどうするのか。

 奪います、と、わたしは言います。

 からだを使ったってかまわない。

 あの人の代わりだっていい。

 キミの愛のそのひとかけらでも手に入るなら。


 あの人は、ちいさく息をつきました。

 キミが本当に必要としていた女の子はもういないのだと。

 わかっています。

 ここにいるのは鏡うつしのような少女がふたり。

 もうわたし戻れない。

 知ってしまいましたから。

 キミと、あの人のせいで。