あなたがあたしをもう愛してないような気がした、から。

 あなたの愛の、せめてもの残滓を、口に含んで、舐めまわして、オレンジジュースで流しこんだ。

 一粒石のピアス。ガーネットはあたしの誕生石で、あなたがあたしにくれた最初のプレゼント。

 愛のかけらはなんだか金くさい味がして、ちょっと喉に引っ掛かりながらも落ちていった。


 あたしの消化管がこの金属と石を消化できないように、あたしもどれだけ頑張っても、この恋慕を消化しきれないでしょう。

 純愛というものが世間では持て囃されるけれど、だからといって、なりふりかまわずに手に入れたひとへの想いが贋物だなんて限らない、そうよ、そんなこと誰にも言わせない。