"は?なめてんの?"

なんて、すぐさまに言われた。

"俺が舞子に手出させるわけねぇじゃん。そんなことしたら、俺そいつ殺すよ?"


怖いって。

最初の言葉を聞いたときはちょっとキュンとしたけど、その言葉の続きを聞いた瞬間に笑顔が引きつったのを覚えてる。


「舞子、それちょーだい」

あたしが返事をする前に、あたしの手から紙パックのミルクティーを奪った達哉。

普通にしてればカッコいいのに。たまに可愛いこともあるけど。


「もー、勝手に飲まないでよ…」

なんで、あの言葉を怖いと思ったのか、考えているうちに自然と答えは出た。


…達哉なら、ほんとにやりかねないからだ。だから怖い。


「いいじゃん、減るもんじゃないんだしさ。」

「バカ、減るもんだよ」


悪戯っ子のように笑う達哉は、可愛かった。あたしまで笑顔になってしまうような、可愛い笑顔。

そんな達哉の、喧嘩相手を見るときの表情は、きっとあたしに向けられることは一生ないだろう。