ケータイ小説 野いちご

Foolish boyfriend~5年前の約束~



「―――――…うっ!」

バキッと鈍い音が響いて、彼の前に立っていた男の人が倒れた。あぁ、また………


彼の周りにはさっきまで彼に喧嘩を売っていた男達が倒れている。立っているのは彼だけ。

「スッキリしたー!」

伸びをしながら言う彼の表情は、ほんとにスッキリしていた。ストレス発散ってやつ?


"彼"というのは、伊藤達哉(イトウタツヤ)っていうあたしの彼氏。

「舞子、帰ろう」

そしてあたしは広田舞子(ヒロタマイコ)。達哉の彼女だ。

さっき喧嘩、きっかけはほんとに些細なことだった。あたしは隣にいたから知ってるけど、誰から見てもくだらない理由だったはず。


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―――――――――…


「おー伊藤じゃん。お前相変わらずちっせぇな。」

「あ?」


この時点で喧嘩が始まってしまうと察知したあたしは、すぐさまその場から離れた。

あーあ、またか。なんて思いながら。

「相変わらずちっせぇなぁって言ったんだよ!」

「おいコラ、言ったな」


ニヤリと笑った達哉は、そのままその男に殴りかかった。


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―――――――――…


…と、まぁ、ほんとにくだらない理由だったんだけどね。


勘弁してほしいよ。

喧嘩してる間に、もしあたしが連れ去られたりとかしちゃったらどうすんの?

…って、前に聞いたことあるんだけど…


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