あれはアタシが中1の時―・・・

雅にいは確か、高2だった。


アタシは中学に上がったばっかりで中学生活が楽しくて仕方なかった。

新しい友達に、新しい通学路。新しい教室に、新しい教科書。勉強は難しくって戸惑ったけど雅にいが優しく教えてくれた。

幸せいっぱいだった。




そんなある日―・・・

アタシに初めての彼氏ができた。

相手は1個上のセンパイ。

陸上部の友達のセンパイで、アタシはその友達といつも一緒にいるからか会うと少し喋る程度に仲良くなった。

そこからゆっくり段々と仲良くなっていき、センパイから告白された。

その時にはアタシもセンパイの事が大好きにだったから即答で、付き合う事になった。

そのセンパイの名前は

井戸田類(イトダルイ)。

そう、あいつとおんなじ名前。


類センパイはとても優しかった。

いつも笑顔で、かっこよくて、背が高くて、明るくて・・・

皆の人気者、そんな存在―・・・



だから当然センパイの事が好きな人も多かった。

つまり、恋敵。



アタシはたくさん不安にもなった。

でもそんなアタシをセンパイは笑って


「大丈夫。」

「舞が大好き。」


アタシの不安が紛らわされた。

とても・・・優しかった・・・。