その日にクローズアップされたのは

高貴だった

高貴は涙をいっぱい溜めて失望感に包まれながら泣いていた。

もうそれは世界の終わりを見ている顔をしていた

涙が垂れ落ちる度に僕の心が傷ついた

友達が泣いている

それだけなのに

なんだか僕はおかしくなったみたいだ

現実の世界に強引に引き戻される。

高貴は友達と笑っていた

さっきの顔は嘘かのように

僕はなんで泣いていたのか理由を聞こうと

帰り道で聞いてみた。

だが

「泣いてねぇよ?なんだよ、それ。お前頭大丈夫か??」
笑いながら言った

ねぇ、僕には見えるんだけど

それも信じてもらえてないのかな?

確かに僕は泣いている姿を見ている

高貴はいつも笑ってて泣いている姿は

本当に驚く姿だった。

だってこんな泣いているなんて

触れる距離に居て気づいてなかったんだから

それも僕に嘘をついている

それは最も世界で一番切なさと悲しみを織り交ぜた

嘘なんだから