「大丈夫か?」


アラタはヘルメットを外しながらこちらを見る。


「うん。これくらいの時間ならまだ・・」


「そうじゃなくて。」


そう言ってアラタの革手袋につつまれた手が私の右頬に触れる。


「少し腫れてるな・・」


私はその切なそうな顔に弱い。


「だ・・・だいじょぅ・・ぶ。」


アラタの顔が近づく。

真っ暗な闇の中。
辺りに人影はないのかな・・。


私は今何してるの。


花のような匂いが強く感じられる。優しい・・甘い・・。